和書が届かない

2週間程前に秘書さんに出張先からメールを送って和書を注文してもらったのだが、まだ届かない。密林で在庫有りの書籍であり版元品切れという訳でもない。注文して2週間で届かない理由が特に見当たらないのだ。

不思議に思って、秘書さんに聞いてみると、

和書を入札に出していて、まだ注文の段階に入っていません

と言われてしまった。何と驚くべきことに再販売価格維持制度によって「値引き販売を禁止することが認められている」和書を入札に出しているのだ。

ひょっとしてそれはギャグでやっているのか?

という程他人事なら笑える話である。実際この話は鉄板で、今の所百発百中で笑って貰え、かつ気の毒に思ってもらえる話題である。いままでは「背凭れの無い椅子」で笑いをとっていたが、今後は「和書の入札」で笑いがとれそうである。

ちなみに、事務の言い訳は、「生協のように割引いて売る所があるから入札をする」とのことなのだが、生協などのような組合が独禁法によって再販契約を遵守する義務を負わないのは、組合の構成員に対してのみなのだから、値引き価格で応札できるのは職場の組合に限られ、それ以外の組合が応札すると独禁法で保護される範囲外となってしまうのである。

つまり入札するまでもなく、職場の組合は割引き価格で応札、それ以外は定価で応札が落札することが決定済みの事項なのである。

しかし、わざわざ入札期間を2週間設けているのである。そのため研究者に本が届くのは注文してから1ヶ月も経ってからである。多くの専門書は寿命が短かい。初版で絶版し、出版後1年で手に入りにくくなる本も決して少なくない。だから入札期間中に版元品切れとなる可能性もある。そうまでして研究者に本が届きにくくする理由は一体何なのだろうか?

なお、昨年度までは密林で買っても良かったのだが密林で買うのは随意契約となるので宜しくないということで入札することになっているそうだ。和書なら基本的に定価販売なので価格差に問題は生じないが、和書以外の場合、密林は応札に来ないので基本的に密林で注文するよりも高く納入されてしまう。はっきり言えば、近所の商社が密林から購入したものを1割以上の手数料を乗せて納入にくる。

この間洋書を注文したとき、密林で翌日配送で1万円程度だった本を入札に出した結果、納入は2ヶ月後で価格は3万円程という悲惨な状況で買わされました。笑える。いや笑い事ではないのだが。