確率統計の本

とりあえず高校の復習をするなら、

高等学校の確率・統計 (ちくま学芸文庫)

高等学校の確率・統計 (ちくま学芸文庫)

かな。これは高校数学が、数I、基礎解析、代数幾何微分積分、確率統計と分かれていた頃の三省堂の教科書とその指導書。当時からちょっと癖もあるけど良い教科書として定評があった。森毅安野光雅のコンビの書籍は沢山あるが、一応これもそのリストに加えることができるだろう。高校の教科書は「確率」から始まって「統計」へと繋がるが、この教科書は「統計」から始まるところが当時のどの教科書とも異なっていた。微積分も積分から始まっていたような記憶があるが、良く覚えていないので今度見直しておこう。なお、数Iの教科書だけは買えなかったので、確率統計だけでなく、他の教科書も復刊して欲しい所だ。

大学の勉強をするなら、というと語弊が生じるので、実用的な確率統計の考え方を学ぶなら、

確率・統計入門

確率・統計入門

かな。著者は急逝し、広中平祐森毅(またか)が遺稿を出版にこぎつけたもの。当時の数学者にありがちな左翼的な記述も散見されるが、まぁそれも著者の生き方が透けて見えて味わい深い。確率は天から与えられた真理ではなく人間が決めた公理に過ぎず、現実をどれだけ正しく説明できるかどうかが重要だという流れから始まる所が、当時、他の本と一線を画していた。岩波の本は良く品切れになるので、見つけたらとりあえず買っておいても良い一冊と個人的には思う。