- 作者: 平山諦
- 出版社/メーカー: 恒星社厚生閣
- 発売日: 1973/11
- メディア: 単行本
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随分昔に学校の図書館で読んだのだが、古本屋で見かけたので買ってしまった。20年以上ぶりに読み返してみると随分忘れているなぁ。
メノコで答えの見当をつける、という言い方をするが、このメノコ、漢字で書くと目の子というのが一般的なのだが、どうやら女の子(男の子をオノコというように女の子をメノコという)とも書くようである。
江戸時代に女の子算(めのこざん)とは足し算引き算でやる計算のこと。簡単なところでは掛け算を足し算で、割り算を引き算でやることであり、本書では開平算を引き算でやる方法として女の子算を紹介している。
例えば11の平方根は
と3回しか引けないので整数部分は3であり、から
と3回引けるので次の位は3となり、
となるという計算である。だから余りも求まっている。
女には掛け算割り算はできず足し算引き算しかできないという意味合いで女の子算と言われていたわけだが、今時こんなことを言うとえらいことになってしまう。
江戸時代において女性が足し算引き算しかできないと差別的に言われることを逆に考えれば、江戸時代の日本では足し算引き算は誰でもできて当たり前ということである、というのは上野建爾氏の弁。江戸時代の教育水準の高さが窺える。