メルカトル図法

メルカトル図法大航海時代に広く用いられた地図である。その理由は方位磁針だけで航海が可能なように作成された地図だからである。メルカトル図法において現在地と目標地点を直線に結び、方位磁針をもって常にその方角に歩き続ければ(一度方向を決めてずっと真っ直ぐ行くのではなく曲がり続けないといけない)目的地に着くからである。この軌跡を航程線と呼ぶ。

当時は緯度の測定は可能であったが、正確な時計がなく経度の測定は非常に難しかったのである。そこで航程線と緯線の交点を考えれば現在地をおおよそ知ることができる。

航程線は経線とのなす角度が常に一定となる曲線となるが、航程線が直線で表される図法の表現、つまりメルカトル図法の書き方を自分で導いてみた。メルカトル図法のポイントは緯度\phiと経度\psiの間の微分方程式

d\psi = \tan u \frac{d\phi}{\cos\phi}

を導けばよい(uは経線と航程線のなす角度)。この微分方程式を導くには、角Cが直角の直角球面三角形の関係式

\tan a =\sin b\tan A

を用いるのが一番簡単である。a,bを微小量とすれば微分方程式と同じ形をしているからである。

でも球面三角法の公式は一般的にはマイナーかな。球面三角法を知っていてもこの公式を知らない人も多いかも知れないが、正弦定理とCを含む正弦余弦定理を並べてみれば直ちに導くことができる。

実際、正弦余弦定理は

\sin c\cos A=\cos a\sin b-\sin a\cos b\cos C=\cos a\sin b

であり、これと正弦定理

\frac{\sin a}{\sin A}=\frac{\sin c}{\sin C}=\sin c

から導かれる。

この話が仕事とどうつながっていくのかは来年になればわかるだろう。