データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門

には、ちゃんと

信頼区間は、求められた区間が母数を含むような「実現値」が得られる確率

と書いてあるぞ(正確な記述は、この本を買って読んでくれ)。「標本(の)数」(サンプル数)と「標本の大きさ」(サンプルサイズ)の違いも目立たない形ではあるがきちんと書いてあるぞ。

ただ、「実際の母数は信頼区間に入っているか否かのどちらかです」という謎文章が入っているが。もちろん、この文章は間違っていないのだが、

「サイコロを投げて1が出る確率は 1/6 ですが、実際にサイコロを投げて出た目は1か否かのどちらかです」

ということと同じことを述べているに過ぎないことは何度かブログで書いた。統計教育において「確率とは何か」に対する理解を軽視してしまうと、実際は同じことなのに、片方はわかったつもりになって、もう片方がわからないということが生じてしまう(結局わかっていない)。今後は、この謎記述も減っていくことを願いたい。

統計で必要な結果を数学的に導かず、「偉い人が導いた結果こうなるので信じてください」形式で書いているので、「統計学の手法を知る本」であり「学問としての統計学を理解する本」ではないけど、これは手元にあっても良い本。

同じ出版社でも

だと、

「実際には入っている or 入っていないの2択で、確率95%というのはおかしい(p.436)」

と書いてあるので、読むには注意が必要。