列空間への正射影(答)

行列Aの直交補空間をBとすると、A{\bf x}\mapsto A{\bf x}かつB{\bf y}\mapsto {\bf 0}となることが必要十分。

内積によって射影成分が得られることに着目すると、A^Tとの積をまず考えるのは自然であり、このときまずA^T(B{\bf x})=0が満たされる。そしてA^T(A{\bf x})A{\bf x}に戻せば良い。

ここで(A^T A)^{-1}(A^T A){\bf x}={\bf x}に注意するとA(A^T A)^{-1}A^T \{A{\bf x}\}=A{\bf x}となる。もちろんA(A^T A)^{-1}A^T \{B{\bf y}\}={\bf 0}も満たされるので、所望の線形変換の表現行列はA(A^TA)^{-1}A^Tとなる。

このような気持で行列A(A^TA)^{-1}A^Tをみることができれば、の線型代数の力はワンランクアップ。

各列が正規直交行列Uなら各列への正射影ベクトルの和UU^Tが求める答っていうのは常識なので、
AQR分解してA=URとすると(線型結合の係数は後にくるんだよ諸君)、

UU^T=AR^{-1}R^{-T}A^T=A(R^TR)^{-1}A=A(A^TA)^{-1}A^T

(ここでU^TU=I)となる、ということもできるようにしておきたい。