微積のよくある循環論法

赤熊さんが

杉浦光夫『解析入門Ⅰ』のp.175には

【(*)   lim_{t→0} sin t/t = 1

~円弧の長さを例えば積分で定義したとしても, その積分を計尊するのに(*)を用いなければならぬのでは循環論法になってしまう】

と非常によろしくない説明がある。

と書いているけど、

「ならぬので循環論法になってしまう」

とは書いていなくて

「ならぬのでは循環論法になってしまう」
(だからこれを用いずに積分を計算しなければならない)

と書いているので至極真っ当であり、赤熊さんも
lim_{t→0} sin t/t = 1
を用いずに弧長を計算しているのだけど。

「ならぬのでは」という日本語が難しいということなのかな。

杉浦先生は何も間違ったことを書いていないのに、勝手に間違った扱いされていて災難ですね。

ちなみに私は、三角関数を定義する前に平面曲線の弧長を速度ベクトルの長さで定義して、
円の接線が動径に垂直であることを利用して
(\cos \theta(t), \sin \theta(t))'=|v(t)|(-\sin \theta(t), \cos \theta(t))
を導き、弧長パラメータ(速度1)を選べば弧度法\theta(t)=t
(\cos t, \sin t)'=(-\sin t, \cos t)
が同時に得られる派.