浅野啓三,線型代数学提要,共立出版(1948)

線型代数学提要 (1948年)

線型代数学提要 (1948年)

すごいなぁ、画像はないけどしっかり登録されとる。この本は読んだことはないが手許にあるのでとりあえず読んでみよう。章末問題はあるが例題はない、理学系の教科書という感じ。

第1章、1次形式。

Kを与へられた体とする。但し第一章に於ては乗法に関する交換律を仮定しない。

旧字体で書かれている。ベクトルはドイツ花文字。階数は Rang とドイツ語。

内容は、線型結合と1次方程式系と階数。

第2章、行列式

置換による定義。多重線型性などは定理。余因子展開とラプラス展開。逆行列による連立方程式の解法とクラメルの公式。

第3章、行列。

「§1、単因子」には思わずわらってしまった。固有値の定義よりも単因子の定義が先にある教科書は始めてみた。単因子の後はジョルダン標準形、正規行列と続く。

第4章、二次形式。

標準化やシルベスタの慣性法則。

附録にアフィン空間と二次曲線、二次曲面の分類、ユークリッド空間、射影空間とある。

まえがきを振り返ると、

大学に於ける初年級の講義の内容を完結にまとめた教科書様のものとして正田健次郎教授によって著述された代数学提要(これは見つからなかった)には線型代数学に関する部分が収録されなかったので、姉妹編として本書は出版されたとある。

今、大学初年級にはちょっと厳しいよなぁ。