パイこね変換

パイこね変換にはテント写像とベルヌーイ写像がある.

ベルヌーイ写像のパイこね変換は
 f(x)=\left\{ \begin{array} 2x & \Bigl(0\leqq x\leqq \dfrac{1}{2}\Bigr) \\ 2x-1 & \Bigl(\dfrac{1}{2}\lt x\leqq 1\Bigr) \end{array}\right.
で,2進法で表現すると、ビットシフトに対応する.

テント写像のパイこね変換は
 f(x)=1-|2x-1|=\left\{ \begin{array} 2x & \Bigl(0\leqq x\leqq \dfrac{1}{2}\Bigr) \\ 2(1-x) & \Bigl(\dfrac{1}{2} \leqq x\leqq 1\Bigr) \end{array}\right.
をテント写像という.テント写像を合成すると4つの折れ線,8つの折れ線,16個の折れ線,...と折れ線の個数が倍々になる.
連続な関数で表現できるが、2進法で表現すると、ビットシフトになる場合と、ビットシフト+ビット反転となる場合があるので少々面倒になる.

なお,いずれの場合も、有限二進小数を無限二進小数に直しておく.例えば 0.011=0.01011111111111111...のように.

 x=0.001101... のとき,ベルヌーイ写像を続けていくと  0.01101... 0.1101... 0.101... 0.01... 0.1... とビットシフトを続けるだけで結果が得られる.

テント写像の場合,f(x) は 2倍して1を引いて絶対値をとるので,
 x=0.001101... のとき,2倍すると  0.01101... となり,1を引いて絶対値をとる(1から引く)と,それはビット反転であり,  f(x)=0.10010... となる.

さらに2倍すると 1.0010... となり,1を引いて絶対値をとる(そのまま1を引く)と,f(f(x))=0.0010...となる.同様に続けると,f(f(f(x)))=0.101...f(f(f(f(x))))=0.01...と続いていく.

これら写像はカオスを生み,非周期的な軌道を生むことから、折り畳みを繰り返すことによって生地がよく混ざることがわかる.

ちなみにクロワッサンなどパンやパイでは3つ折りにするのが基本。クロワッサンは標準的には3つ折り3回で27層が基本だが、2回で9層や4回で81層にしている店もある。
3つ折りと4つ折りを組合せて12層や36層にしている店もあるとのこと。

デニッシュは81層が基本らしい。

不二家ホームパイは縦横3つ折りの9層を3回繰り返して729層にするそうだ。