笑えない数学

今シーズンの笑えない数学、全然面白くないし言ってることがおかしいのだが、やっぱりそうだよね。

sokrates7chaos.hatenablog.com

ここにも書いてある、ペアノの「数の概念について」

は30年ほど前に読んだ。結局、実数論の簡単は話をするときに出発点とする自然数の説明は

ソ連教育科学アカデミー版,基礎数学,商工出版社

の流れを参考にしているので、ペアノ自身の説明はおぼろげなのだが、、、。

ペアノ自身は、自然数を1から始めたが、フォンノイマンのように
∅,
{∅},
{∅,{∅}},
{{∅},{∅,{∅}}},
と構成すると、0から始めるのが自然となる.このあたりが、自然数が1からか0からかで混乱する理由なのだろう。
また,半群の立場からすると単位元0があるほうがうれしいこともあり0を入れたいのだろう。

ちなみに、自然数の加法の定義は,a の次の自然数を a& と表すと,
a+1 := a&
(a+b)&=a+b&
である.例えば
a+(1&) = (a + 1)& = (a&)&
となる.2:=1& とすると
a+2=(a&)&
となる.要するに、1+1=2 というのは、1の次の数を2と名付けたから、そうなのである。なので「1+1=2」の証明、というのは実は意味がわからない問である。「何故1の次の数を2と呼ぶのか」って証明でも何でもないよね。

なお、ペアノの公理の「次の自然数」という考え方は、「序数としての自然数」の定義であり,加法を定義することによって序数と基数の同一視が行われることになる。

この観点からすると、「1+1=2」というのは、「序数としての自然数」と「基数としての自然数」を同一視するための「定義」または「公理」である。そういう点からも、証明というのはおかしいように思う。

くり返すと、「+」は2つの基数の演算で、その結果を序数で表現するための同一視となっている。

5 + 3 = 8

○○○○○+○○○

○○○○○○+○○

○○○○○○○+○

○○○○○○○○

と見ることによって,5の次の次の次の数は8である、と序数と同一視することによって「数える」ことができるようになるのである。