定期的に
中線定理やスチュワートの定理が、分散公式を意味しているという話が X(旧Twitter)で話題になるが、それが力学の
(ある軸に関する物体の慣性モーメントは,重心を通りその軸に平行な軸についての慣性モーメントと,着目している軸に関して,全質量が重心に集中しているとして得られる慣性モーメントとの和として表せること)
とも等価であるという話が
Ikuro's home page の
初等物理の問題(その6)
(この定理は物理学の問題や確率論の問題に応用されている.たとえば,ベクトルpkを位置ベクトルとみれば慣性モーメントの問題となるし,速度ベクトルとみれば運動エネルギーの問題に転化する.全分散を群間分散と群内分散に分解すると考えれば「分散分析」の問題となるのである.)
にある.
以下、引用
多角形の各頂点に重み を設ける.たとえば三角形の場合,重心は
ここで,始点を から に変えても
となって,重心の位置は座標や原点の取り方に依存しないことがわかる.また,始点を に変えると,
となる.
ここでは1次モーメントを考えたが,2次モーメントについては,
ここで,
より,
すなわち,点 に関する2次モーメントの和は,点 に関する重心 の2次モーメントと重心 に関する2次モーメントの和に等しいというのがシュタイナーの定理である.
これは数学的にはスチュアートの定理そのものでもある.
物理的には
1次モーメント=運動量保存の法則
2次モーメント=角運動量保存の法則(あるいはエネルギー保存の法則)
に相当する.
1次モーメント=平均
2次モーメント=分散
という対応をしているという訳だ.