2024年第1回束大実戦理系2番
[2] は を満たす定数とする. において定義された関数
がとりうる値の範囲を求めよ.
がとりうる値の範囲を求めよ.
これは正数 , の 乗平均で全実数 について定義され( のときは の極限), について単調増加であることが知られている.そして で最小値, で調和平均, で幾何平均(相乗平均), で算術平均(相加平均), で最大値を与えることが知られている.
注) 統計では 乗平均は と 乗根をとる前の段階を指すのが一般的.
[解答]
とおくと である.このとき
であるから,
とおくと, は , を結ぶ直線の傾きである.
,
である.
とおくと である.このとき
であるから,
とおくと, は , を結ぶ直線の傾きである.
,
である.
つまり は で単調減少で下に凸だから傾き関数 は単調増加となる.
ここで
(平均値の定理やロピタルの定理を使っても得られる),
だから の値域は となる.よって から の値域は
となる.
累乗平均の単調性については Jensen の不等式を用いても示すことができる.例えば
manabitimes.jp
参照.