正方行列 の固有多項式を とおく。行列 ( は単位行列)の余因子行列を とすると
が成立する。ここでは固有多項式のスカラー を行列 に置き換えた行列の多項式であることに注意する。
行列の等式 において、行列 を行列 に置き換えると、
となり、 が成立する。
注1) () により、 を と、行列 の多項式に書き換えている。ここでが任意のため、行列の等式において、 の恒等式となるので、 の係数行列、つまり、()の係数行列も両辺で等しくなる。よってうまく を に置き換えても行列の等式が成立する。
注2) の行列 を行列 に置き換える、という操作は難しいかも知れないが、 は係数が行列となるスカラー の多項式になっており、このスカラー を行列 に置き換えた行列と考えていただければ を に置き換える操作がわかり易いだろう。もっとも、それがどのような行列になろうとも、を乗ずることで消えてしまうのだが。