ケプラーの樽公式

シンプソンの公式はドイツだと「ケプラーの樽公式」とも呼ぶのか。

en.wikipedia.org

に、

In English, the method is credited to the mathematician Thomas Simpson (1710–1761) of Leicestershire, England. However, Johannes Kepler used similar formulas over 100 years prior, and for this reason, the method is sometimes called Kepler's rule, or Keplersche Fassregel (Kepler's barrel rule) in German.

とある。自分は、「合成シンプソンの公式」を「シンプソンの公式」と呼んで、「シンプソンの公式=ケプラーの樽公式」を「1-4-1の公式」と勝手に名付けて呼んでいた。

あ、一応、

\displaystyle\int_a^b f(x) dx \approx \dfrac{b-a}{6}\{f(a)+4f\Bigl(\dfrac{a+b}{2}\Bigr)+f(b)\}

で、f(x) が3次以下の多項式の場合等号が成立するというやつのこと。
(これは1921年東京帝國大學工學部4番に出題されている)

ケプラーは、樽の太い所の半径をR,上下の半径をr,樽の高さをh としたときに体積が
\dfrac{\pi h}{3}(2R^2+r^2) となると近似した。これは先ほどの公式にf\Bigl(\dfrac{a+b}{2}\Bigr)=\pi R^2f(a)=f(b)=\pi r^2b-a=h を代入したものになっている。

ケプラーの樽問題というのもあって nova streometria doliorum vinariorum (1615) を参照したいところだが、難しそうだ。
www.matematicasvisuales.com
でがまんしよう。

とりあえず、

の p.33 にケプラーの問題として挙げられている。

「対角線(最大幅)が一定である直円柱のうち体積が最大のものを求めよ」

という問題で、答は底面の直径と高さの比が \sqrt{2}:1 のときとなる。

ケプラーの葡萄酒樽の話がピーナッツ大学名誉教授の
www.toshin.com
文字コードを明示していないので文字化けしてる(2023.08.17追記))
にも記述されているが、「∫」記号の由来も孫引きみたいなので、間違った孫引きをしている可能性もあるのでどこまで信用できるかは謎。やはり nova streometria doliorum vinariorum (1615) を参照しなければ。

基本的に参考文献を載せて責任を原著者におしつけることをしない人は研究者としてはちょっと怪しい。