ここに、一般の正方行列に対してその指数関数を求める一般的な手法を記しておく。このようにきちんと書かれたものは、見たことがないので、まぁ、書くことにした。なお、3次正方行列の場合は、一般論はやや遠回りである(別記事で)。
2つの の多項式 と を で割り切った余りが等しいとき、 が で割り切れるので、 は多項式となり連続である。
よって、多項式列 と を で割り切った余りが等しいとき、 が で割り切れるので、 は多項式となり連続である。
ここで, とすると、右辺の和が収束する範囲内において
は連続である。
このような、関数 と 次多項式 が与えられたときに、
が連続となるような 次以下の多項式 が存在するとき、
と書くことにする。 も多項式なら、 と書けるのであるが、一応区別しておく。
(とは言え、この記事ではこの記法はもう登場しない)。
ここで ,つまり 次行列 の固有多項式とおくとき, が連続となるような 次多項式 を求めれば、 が成立するし、 も成立する。最後に とおく。
ここで と表現できるとき(は虚数でも良い)、
()
という条件が成立していることに注意する。
今、 の部分分数分解を
とおくと、 はヘビサイドの cover up 法により、
と表すことができ, は
()及び ()で表すことができる。
ここで
()
であるから, は
()及び ()と の情報だけを用いて具体的に表現することができる。
以上から、謎の 次多項式 は
として表すことができる。
例えば、3次行列 の固有値が のときの を求めてみよう。
今、 の部分分数分解を
とおくと、
,
,
が成立するので,
,
,
が成立するので,
が成立する。よって は
と, の2次以下の多項式で表現できる。ここに登場する,
,,
が射影子に対応することになる。