書きかけだけど時間がないので放流

8月1日に書き始めてずっと下書きに放置されていた(2022-08-01 16:05:59,entry/2022/08/01/160559)ので,途中で終わっているけど再投稿しておくか.


図形 AB に対して
\{{\rm X}\,|\, \vec{\rm OX}=\vec{\rm OP}+\vec{\rm OQ},\, {\rm P}\in A,\, {\rm Q}\in B\}
で定まる点 \rm X の集合を図形 AB のミンコスフキー和といい,A\oplus B で表す.

図形 AB を平行移動するとA\oplus B も平行移動されるが,ミンコフスキー和の形状は不変であるので,平行移動の不定性を除いてミンコフスキー和は一意に定まる.

図形 Ak 倍に拡大した図形を kA と定義すると,一般には A\oplus A\neq 2A だが,A が凸図形ならば,A\oplus A=2A が成立する.

また,凸図形 AB に対して,A\oplus B も凸図形となり,A\oplus B の周の長さは,AB の周の長さの和となる.

図形 A を180度回転した図形を -A と定義すると,これは図形 A-1 倍拡大した図形であり,整合性がとれている.

ミンコフスキー差の定義はいくつかあるが,その1つの定義の
A\ominus B:= A\oplus (-B)
を用いることにする.

このとき\ominus\oplus の逆演算ではなく,A\ominus A は1点や空集合にはならない.例えば A が1辺の長さが 1 の正三角形のとき,A\ominus A は1辺の長さが 1 の正6角形となる.一般にA が1辺の長さが 1 の正 n 角形のとき,A\ominus A は1辺の長さが 1 の正 2n 角形である.

凸図形 B を凸図形 A のまわりに接するように平行移動させながら1周させてできる図形 K
K=A\oplus B\ominus B
となる.というのも,図形 K
\{{\rm X}\,|\, \vec{\rm OX}=\vec{\rm OP}+\vec{\rm RQ},\, {\rm P}\in A,\, {\rm Q}\in B,\, {\rm R}\in B\}
つまり
\{{\rm X}\,|\, \vec{\rm OX}=\vec{\rm OP}+\vec{\rm OQ}-\vec{\rm OR},\, {\rm P}\in A,\, {\rm Q}\in B,\, {\rm R}\in B\}
とかけるからである.

さて,本論に入る.図形 P を相似比1の正 n 角形とする.すると P は凸なので P\oplus P=2P となり,これは 相似比2の正 n 角形となる.

一方,L:=P\ominus P

(i) n が偶数のとき,-P=P から L=2P となり相似比2の正 n 角形,
(ii) n が奇数のとき,相似比1の正 2n 角形

となる.ともに周の長さが 2n の正多角形であることに注意する.

ここで K=2L=L\oplus L という凸図形を考える.これはもちろん

(i) n が偶数のとき,相似比4の正 n 角形,
(ii) n が奇数のとき,相似比2の正 2n 角形

である.これが一番外側にある多角形となる.

ここで
K=L\oplus L=L\oplus P\ominus P
だから,K
凸図形 P を凸図形 L のまわりに接するように平行移動させながら1周させてできる図形である.

K は周の長さが 4n の偶数辺の正多角形だから点対称であり,その対称の中心を \rm C とすると,この tweet に描かれていないが,赤く描かれている相似比1の正 n 角形は,L の対称の中心を \rm C に平行移動したとき,KK にピッタリとはさまれていることがわかる.

また,
K=(P\ominus P)\oplus(P\ominus P)=(P\oplus P)\ominus (P\oplus P)=(2P)\ominus(2P)
だから,K は相似比2の正 n 角形と,それを180度回転してできる相似比2の正 n 角形のミンコフスキー和となり,これらが凸図形であることに注意すると,K2P-2P\rm C でピッタリ接するように配置することができる.これが緑の輪郭に青い2つの図形がぴったりはさまっていて,\rm C に対して点対称の位置にある状態を表現している.

さて,ここで
K=A\oplus B\ominus B

\{{\rm X}\,|\, \vec{\rm OX}=\vec{\rm OP}+\vec{\rm OQ}-\vec{\rm OR},\, {\rm P}\in A,\, {\rm Q}\in B,\, {\rm R}\in B\}
なる点の集合であったことを思い出そう.凸図形 A,B に対する K=A\oplus B\ominus B を考えたとき,図形 A,B の周 \partial A,\partial B および図形 K の周 \partial K に対して,凸図形が共有点をもつ限界が接する場合となることから,
\vec{\rm OX}=\vec{\rm OP}+\vec{\rm RQ}
をみたす{\rm X}\in \partial K, \, {\rm P}\in \partial A,\, {\rm Q}\in \partial B,\, {\rm R}\in \partial B,\}
なる組が存在することがわかる.ここで \rm O{\rm O}\in \partial K となるように選ぶと,外周の緑と内接し,互いに外接する青と赤の組が得られることがわかる.

このことは,青い図形を配置した後に,外周 \partial K と,L と中心を \rm C に平行移動したときの外周 \partial L に挟まれるように P をすべらせていけば,右と左の両方に青と接する赤を置くことができることを表している.

(ここまで)

■ この図形たちの構図は \rm C について点対称なので tweet のように青2つの赤4つを配置することを考えたとき,残った問題は,縦に並んだ赤が接していることを示すだけである.

■ 青2つの中心を上から \rm S,T とし,右側の赤2つの中心を上から \rm U,V とすると,
上の青と赤の相似の中心は \rm ST2:1 に外分する点である.

ミンコフスキー和のことを考えると,
凸図形 K=L\oplus L=L\oplus P\ominus P の外周上の点 {\rm X}_1{\rm X}_2 に対して
\{{\rm X}_1\,|\, \vec{\rm OX}_1=\vec{\rm OP}_1+\vec{\rm OQ}_1-\vec{\rm OR}_1,\, {\rm P}_1\in \partial A,\, {\rm Q}_1\in \partial B,\, {\rm R}_1\in \partial B\}
\{{\rm X}_2\,|\, \vec{\rm OX}_2=\vec{\rm OP}_2+\vec{\rm OQ}_2-\vec{\rm OR}_2,\, {\rm P}_2\in \partial A,\, {\rm Q}_2\in \partial B,\, {\rm R}_2\in \partial B\}
となるので,
\vec{\rm X}_1{\rm X}_2=\vec{\rm P}_1{\rm P}_2+\vec{\rm Q}_1{\rm Q}_2+\vec{\rm R}_2{\rm R}_1
なる
{\rm P}_1,{\rm P}_2\in \partial A,\, {\rm Q}_1,{\rm Q}_2\in \partial B,\, {\rm R}_2,{\rm R}_1\in \partial B
が存在するので,これが使えないかなぁ.