備忘録:モーリーの定理のコンヌによる証明(その2)

備忘録:モーリーの定理のコンヌによる証明(その1) - 球面倶楽部 零八式 mark II

のつづき.

\rm ABC は反時計周りにとり,\rm BC に近い頂点を \rm P\rm CA に近い頂点を \rm Q\rm AB に近い頂点を \rm R とする.

g_1 を点 \rm A 中心 \dfrac{2\angle A}{3} 回転,g_2 を点 \rm B 中心 \dfrac{2\angle B}{3} 回転,g_3 を点 \rm C 中心 \dfrac{2\angle C}{3} 回転とすると,g_1^3 は点 \rm A 中心 2\angle A 回転,g_2^3 は点 \rm B 中心 2\angle B 回転,g_3^3 は点 \rm C 中心 2\angle C 回転だから,g_1^3\rm AB に折り返して後に \rm CA に関して折り返すアフィン変換,g_2^3\rm CA に折り返して後に \rm BC に関して折り返すアフィン変換,g_3^3\rm BC に折り返して後に \rm AB に関して折り返すアフィン変換となる.

ここで折り返しは対合だから,g_1^3g_2^3g_3^3 は恒等変換となり,コンヌの定理の条件をみたす.

\rm R\rm AB について折り返すのと、\rm B 中心に \dfrac{2\angle B}{3} 回転するのは同じで,さらに \rm AB について折り返すのと、\rm A 中心に \dfrac{2\angle A}{3} 回転するのは同じなので,g_1g_2不動点R(\alpha) となる.

同様に g_2g_3不動点P(\beta)g_3g_1不動点Q(\gamma) である.

また,g_1g_2g_3 は 120度回転と平行移動の合成だから j=e^{2\pi i/3} となるので,コンヌの定理から
\alpha+e^{2\pi i/3} \beta  +e^{4\pi i/3} \gamma =0
が成立するが,これは \rm P,Q,R が正三角形をなす条件であるから,\triangle\rm PQR は正三角形となる.