アポロニウスの最大最小問題と縮閉線

の pp.4-7 を書き換えた形で説明する.

滑らかな曲線 C:\,f(x,y)=0 上の点 {\rm X}(\vec{x}=(x,y)) と曲線上にない点 {\rm P}(\vec{p}=(p,q)) があるとき,{\rm PX}^2=|\vec{x}-\vec{p}|^2 を極大極小鞍点にする点は,Lagrange の未定乗数法により
 L(x,y)=|\vec{x}-\vec{p}|^2 - \lambda \,f(x,y)
を考えると
 2(\vec{x}-\vec{p})=\lambda \,\mbox{grad} f
となるので,\rm PXC に垂直となる,つまり C の法線が \rm P を通ることと同値となる.つまり,アポロニウスの最大最小問題の解となる点は、その点における法線が \rm P を通ることがわかる.

そしてその条件は \lambda を消去すると
\mbox{det}\,(\vec{x}-\vec{p},\mbox{grad}\,f)
つまり
 \dfrac{\partial f}{\partial y}(x-p)=\dfrac{\partial f}{\partial x}(y-q)
となる.

この方程式をみたす \vec{p} の個数が切り替わる場所について考える.

{\rm X}(\vec{x})における法線と、それを曲線上で少し動かした点 {\rm X'}(\vec{x}')における法線との交点を考えて,{\rm X'}\to{\rm X} とした交点の極限において2本と数えられる法線が重なると考えることができ、そのような点の集合を境に \vec{p} の個数が切り替わることがわかる.

ここで,この交点の極限は,{\rm X} の曲率中心であり,またこのような点集合は C の法線の包絡線となるから,曲率中心の軌跡である縮閉線は,曲線の法線の包絡線であり,アポロニウスの最大最小問題の解となる候補の点の個数が切り替わる曲線であることがわかる.

なお、上記の書籍では、縮閉線や包絡線を出さずに、放物線と楕円の場合について方程式の解の個数で議論している(補足に法線の交点の極限であると述べているが).アポロニウスの最大最小問題は、二次曲線の場合の話なので、放物線の場合は3次方程式、楕円や双曲線の場合は4次方程式の解の個数を考えることになる.

[1] C(x,y)=x^2-y のとき, -(x-p)=2x(y-q) つまり3次方程式
2x^3+(1-2q)-p=0
の解の個数に帰着される.縮閉線の式は (2y-1)^3=\dfrac{27}{2}x^2 となる.

[2] C(x,y)=\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2} のとき, -\dfrac{2y}{b^2}(x-p)=\dfrac{2x}{a^2}(y-q) つまり4次方程式
(a^2-b^2)^2x^4-2a^2(a^2-b^2)px^3+a^2\{a^2p^2+b^2q^2-(a^2-b^2)^2\}x^2+2a^4(a^2-b^2)px-a^6p^2=0
の解の個数に帰着される.縮閉線の式は星芒形を引き伸ばした図形 (ap)^{2/3}+(bq)^{2/3}=(a^2-b^2)^{2/3} となる.