Todo:調べておこう[解決]


(浜松医大2018年)

高校生のとき,x+y+z=0 のとき,
\dfrac{S_l}{l}\times\dfrac{S_m}{m}=\dfrac{S_n}{n}l\leqq m
恒等式となるような自然数の組は
(2,3,5),(2,5,7) しかないことを証明したように思うが,出典を確認できるだろうか?

2022.11.08追記(ここから)
複数見た記憶の1つを発見した.

の p.92だった.「某誌の記事なら某誌に質問したどう…」とあるが,これは「大学への数学」と思われるので,おそらく大数でも見たと思う.でもこの本の著者の石谷さんは昔大数に書いていたような…
(ここまで)


とりあえず,

の p56 2.2.4 Viète Relations (解と係数の関係)に 1957年の中国数学コンテストに
\dfrac{S_2}{2}\times\dfrac{S_5}{5}=\dfrac{S_7}{7}
を示す問題が出題されたと書いてある.

x,y,z を解とする方程式を t^3+pt+q とおくと
x^2+y^2+z^2=-2p
x^3+y^3+z^3=-3q
x^4+y^4+z^4=2p^2
x^5+y^5+z^5=5pq
x^6+y^6+z^6=-2p^3+3q^2
x^7+y^7+z^7=-7p^2q
が成立することから,

\dfrac{S_2}{2}\times\dfrac{S_3}{3}=\dfrac{S_5}{5}\dfrac{S_2}{2}\times\dfrac{S_5}{5}=\dfrac{S_7}{7}

が成立することがわかる.それ以外で成立しない証明はそのうち考えよう(先に出典を見つけそうだ).

なお,同じ2018年、静岡大学前期(教育,理(生命科,地球科学科),農学部地域創造学環)[1]に

実数x,y,zが次の3つの等式
x+y+z=0x^3+y^3+z^3=3x^5+y^5+z^5=15
を満たしている.x^2+y^2+z^2=aとおくとき,次の問いに答えよ.

(1) xy+yz+zxa を用いて表せ.

(2) xyz の値を求めよ.

(3) a の値を求めよ.

という問題が出題されているが,これを知っていると a=2\times\dfrac{3}{3}\times\dfrac{15}{5}=6 となることがわかる.

ちなみに,twitter のどっかで見た

\sqrt[3]{\cos\dfrac{2\pi}{7}}+\sqrt[3]{\cos\dfrac{4\pi}{7}}+\sqrt[3]{\cos\dfrac{8\pi}{7}}=\sqrt[3]{\dfrac{1}{2}(5-3\sqrt[3]{7})}

という問題も Putnam and Beyond の p.58 に載っている。
x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1=0 において x+\dfrac{1}{x}=y とおいた y についての3次方程式 y^3+y^2-2y-1=0 の3解が
2\cos\dfrac{2\pi}{7},2\cos\dfrac{4\pi}{7},2\cos\dfrac{8\pi}{7}
だから,
X^3=2\cos\dfrac{2\pi}{7},Y^3=2\cos\dfrac{4\pi}{7},Z^3=2\cos\dfrac{8\pi}{7}
とおいて,
XYZ=\sqrt[3]{X^3Y^3Z^3}=1X^3Y^3+Y^3Z^3+Z^3X^3=-2X^3+Y^3+Z^3=-1

X+Y+Z=uXY+YZ+ZX=v
から u,v連立方程式
u^3-3uv=-4v^3-3uv=-5
を求め,これらを掛けて uv に関する3次方程式
(uv-3)^3+7=0
を求め,uv=3-\sqrt[3]{7} を得るので,u=\sqrt[3]{5-3\sqrt[3]{7}} となり,この両辺を \sqrt[3]{2} で割ると

\sqrt[3]{\cos\dfrac{2\pi}{7}}+\sqrt[3]{\cos\dfrac{4\pi}{7}}+\sqrt[3]{\cos\dfrac{8\pi}{7}}=\sqrt[3]{\dfrac{1}{2}(5-3\sqrt[3]{7})}

が得られる.