いじわるな連立方程式

これもどっかで見かけたけど出典を見失った

x^{x+y}=y^{24}y^{x+y}=x^{6} を解け

出典に x,y\gt 0 がついているかどうかを確認したかった.これがあるとないとでは難易度が雲泥の差.というのも,「負の偶数乗」という恐いことを考えないといけないからだ.実際,(x,y)=(1,-1)は解になっている.

x\gt0y\gt 0 のとき,x^{x+y}=y^{24}y^{x+y}=x^{6} を解け

(i) x=1 のとき
前者から y^{24}=1 だから y=1 となり,これらは後者をみたす.

(ii) x\neq 1 のとき
x^{144}=(x^{6})^{24}=(y^{x+y})^{24}=(y^{24})^{x+y}=(x^{x+y})^{x+y}=x^{(x+y)^2}
だから x+y=12 となり,よって
x^{12}=y^{24}y^{12}=x^6
から x=y^2 となり,x+y=12 と連立させて (x,y)=(9,3) となる.

以上から,(x,y)=(1,1),(9,3)

xy が実数のとき,x^{x+y}=y^{24}y^{x+y}=x^{6} を解け

x=0 と仮定すると後者から y^{y}=0 となり不適であり,y=0 と仮定しても前者から x^x=0 となり不適.
0^0 は定義されないのが普通で,定義しても通常は 1)

よって,x\neq 0y\neq 0 として良い.

(i) x=1 のとき
前者から y^{24}=1 だから y=\pm 1 となり,これらは後者をみたす.

(ii) x=-1 のとき
前者から y^{24}=1 かつ x+y が偶数だから y=\pm 1 となり,これらは後者をみたす.

よって,(x,y)=(\pm1,\pm1)(複号任意)は解となっている.

(iii) |y|=1 のときも同様に (x,y)=(\pm1,\pm1)(複号任意)が得られる.

よって,以下,|x|\neq 1|y|\neq 1 とする.

x^{144}=(x^{6})^{24}=(y^{x+y})^{24}=(y^{24})^{x+y}=(x^{x+y})^{x+y}=x^{(x+y)^2}
y^{144}=(y^{24})^6=(x^{x+y})^6=(x^6)^{x+y}=(y^{x+y})^{x+y}=y^{(x+y)^2}
であり,|x|\neq 1|y|\neq 1 であるから,|x+y|=12 が必要である.

(iv) x+y=12 のとき
x^{12}=y^{24}y^{12}=x^6
から |x|=|y|^2 となり,x+y=12 と連立させて (x,y)=(9,3)(16,-4) となる(x=-y^2 のとき y^2-y+12=0 は実数解をもたない).

(v) x+y=-12 のとき
x^{-12}=y^{24}y^{-12}=x^6
から |x|y^2 =1 となる.
よって |y+12|y^2=1 を解く.

(a) y^3+12y^2+1=0 の実数解は
y=-4-16\sqrt[3]{\dfrac{2}{129-\sqrt{257}}}-\sqrt[3]{\dfrac{129-\sqrt{257}}{2}}
\approx -12.0069364231325
で,これは y+12\lt 0 をみたす.このとき,
x=-8+16\sqrt[3]{\dfrac{2}{129-\sqrt{257}}}+\sqrt[3]{\dfrac{129-\sqrt{257}}{2}}
\approx 0.0069364231325

(b) y^3+12y^2-1=0 は相異3実数解をもち,厳密解は虚数を利用して表現され,

となり,
数値解は
y=-11.993047501684,-0.2922559694796,0.2853034711635
となる.これらは y+12\gt 0 をみたす.

以上から
(x,y)=(1,\pm 1)(-1,\pm1)(9,3)(16,-4)(0.0069364231325,-12.0069364231325)(-0.00695249831,-11.993047501684)(-11.7077440305,-0.2922559694796)(-12.2853034712,0.2853034711635)
の10個