円と放物線が4点で交わるとき,4点のうち2点を結ぶ直線の傾きと、残りの2点を結ぶ直線の傾きの和が 0 となること

単位円周上の異なる4点を含む2次関数が存在する条件 - 球面倶楽部 零八式 mark II

では,放物線が y=x^2 となるように拡大、平行移動して示したのだが、次のように考えてもいいなぁ。

放物線の式 y-(ax^2+bx+c)=0
円の式 x^2+y^2+px+qx+r=0

とする.これらが4交点をもつとき,曲線束
x^2+y^2+px+qx+r- \lambda \{y-(ax^2+bx+c)\}=0
もその4点を通る.これには項 xy の係数が 0 なので,

y=A(\lambda)\pm\sqrt{P(\lambda)x^2+Q(\lambda)x+R(\lambda)}

という2つの関数となるが,これらが2直線となるときは,ルートが外れて

y=A(\lambda)\pm \{\sqrt{P(\lambda)}x+Q'(\lambda)\}

の形になるので,2直線の傾きは y=\pm\sqrt{P(\lambda)} となり,傾きの和が0となる.

ここで示したことは,

「もし x^2+y^2+px+qx+r- \lambda \{y-(ax^2+bx+c)\}=0 」が2直線を表すならば,その2直線の傾きの和が0になる」

ということで,そのような \lambda が存在することは述べていないことに注意しておく.

実際問題としては \lambda は実数係数の3次方程式
Q(\lambda)^2-4P(\lambda)R(\lambda)=0
の解となるので,少なくとも1つは実数解 \lambda が存在することがわかるが,残るの2解が実数解になるかどうかはわからない.

円と放物線が4点で交わる条件と、この3次方程式の判別式が正となることが同値になることを示すことになり,それは面倒そうだ.

なお,円と放物線が交わらなくても,形式的に実数 \lambda が得られる.この解がどのような意味をもつのかは誰かに任せることにする.

なお,似た話として,2円の式を引いたら共通弦の方程式が得られるが,2円が交わらなくても,引き算をすると直線の式が登場する.2円の式を引いて得られる直線上の点は、それぞれの円に対する方羃が等しい点の集合となるが,2円が交わらない場合は,方羃の値は、その点から接線を引いたときの接点までの長さの2乗になるので,その直線上の点から2円への接線の長さが等しくなるような点の集合となる.詳しくは「根軸」を検索して調べれば良いだろう.

なお,根軸を利用したブリアンションの定理の証明は美しい.
users.math.uoc.gr

根軸を利用したブリアンションの定理の証明を初めて知ったのは

に載っていたのを読んだときだ.

2024.01.02追記
放べきの定理(と円と放物線が4点で交わるとき) - 球面倶楽部 零八式 mark II
も参照のこと