楕円の準円(ポンスレの閉形定理)

楕円\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1に直交する2接線が引けるような点の集合はx^2+y^2=a^2+b^2となり、これを準円と呼ぶ訳だが、よくよく考えてみると、楕円とその準円があったとき、準円上の点から楕円に引いた接線と準円の交点を作り、その点から楕円に引いた接線と準円の交点を作り、と繰り返すと、どの点から出発しても4回でもとの点に戻って長方形を作ることがわかる。これってポンスレの閉形定理の特殊な場合だということに、今更ながら気付いた。楕円の準円とポンスレの閉形定理の両方を知ってから随分長い時間が経ったというのに。

ちなみに、楕円に対する準円を導く方法は一般的には次のようである。

\displaystyle\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1に点(p,q)から引いた接線が軸に平行でないとき、その傾きをmとすると、y=m(x-p)+qとなる。これともとの楕円が接する条件を考える。

図形をy軸方向に\frac{a}{b}倍に拡大しても接することは変わらないので、\displaystyle y=\frac{a\{m(x-p)+q\}}{b} 、つまりby=a\{m(x-p)+q\}と原点との距離はaとなる。よって点と直線の距離の公式から\displaystyle \frac{| a(q-mp) |}{\sqrt{b^2+a^2m^2}}=aつまり(q-mp)^2=b^2+a^2m^2が成立する。

これを整理した(a^2-p^2)m^2+2pqm+b^2-q^2=0をみたす2つのmが直線の傾きで、それらが直交することから、傾きの積が-1となるので、解と係数の関係から\displaystyle\frac{b^2-q^2}{a^2-p^2}=-1となり、p^2+q^2=a^2+b^2が導かれる。

接線が軸に平行なときは(p,q)=(\pm a,\pm b)(複号任意)であり、p^2+q^2=a^2+b^2をみたすので、求める軌跡は
x^2+y^2=a^2+b^2全体となる。

といった具合だ。でも、この解答は今一つ美しくない。場合分けがあったり、x,yが対称に扱われていないからだ。これをうまく導く方法があったようだが思い出せない。そもそも直交いう条件が変換に弱いので記憶違いかも知れない。

追記:1月11日の記事に捏ち上げました。