サインカーブの長さ(再論)

サインカーブの長さ - 球面倶楽部 零八式 mark II
の問題点の整理

y=p\sin xp>0)のx=0からx=\varphiまでの長さは
\displaystyle \int_0^{\varphi} \sqrt{1+p^2\cos^2 x}dx
\displaystyle = \sqrt{1+p^2}\int_0^{\varphi} \sqrt{1-\dfrac{p^2}{1+p^2}\sin^2 x}dx
\displaystyle =\sqrt{1+p^2}E\left(\dfrac{p}{\sqrt{1+p^2}},\varphi\right)
となる。

一方、横長の楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1(0,b)から(a\sin\varphi,b\cos\varphi)までの長さは
\displaystyle \int_0^{\varphi} \sqrt{a^2\cos^2\theta+b^2\sin^2\theta}d\theta
\displaystyle = a\int_0^{\varphi} \sqrt{1-\dfrac{a^2-b^2}{a^2}\sin^2 x}dx
\displaystyle =aE\left(\dfrac{\sqrt{a^2-b^2}}{a},\varphi\right)
となる。

これらを比べてp=\sqrt{a^2-1}b=1とおけば、両者は一致する。つまりy=\sqrt{a^2-1}\sin xa>1)のx=0からx=\varphiまでの長さは横長の楕円\dfrac{x^2}{a^2}+y^2=1(0,1)から(a\sin\varphi,\cos\varphi)までの長さと一致する。

y=\sqrt{a^2-1}\sin x上の点(\varphi,\sqrt{a^2-1}\sin\varphi)の接ベクトルは(1,\sqrt{a^2-1}\cos\varphi)であり、楕円\dfrac{x^2}{a^2}+y^2=1上の点(a\sin\varphi,\cos\varphi)の接ベクトルは(a\cos\varphi,-\sin\varphi)である。もちろん、この2つのベクトルの長さは計算すれば等しく\sqrt{1+(a^2-1)\cos^2\varphi}で等しい。同じ速度で動いていても、曲率、ハンドルの切り方によって描く曲線が違う。その切り方によって、楕円を描いたりサインカーブを描くという訳で、もちろん他の曲線を描く可能性もある。

楕円の曲率は\dfrac{a}{ (1+(a^2-1)\cos^2\varphi)^{3/2}}であり、サインカーブの曲率は\dfrac{-\sqrt{a^2-1}\sin\varphi}{ (1+(a^2-1)\cos^2\varphi)^{3/2}}である。

この違いが曲線の違いを生むのである。サインカーブの長さと楕円の長さが対応する理由について、この以上簡単には説明できそうもない。
(つまり、曲率が違えば違う曲線になるというあたりまえのことしか言ってない)。