カーペレビッチの定理(2023.12.17)

で紹介された。コメントを返したいところだけど Qiita やってないし、X(旧Twitter)で返事をすると色々不都合があるので(そういえば球面倶楽部の Twitter アカウントを作ったけどログインすらしていない、と思ったらイーロンさんに既に削除されてた)ここで書いておくか。

カーペレビッチの定理 - 球面倶楽部 零八式 mark II(2011.01.31)
山本哲朗, 行列解析の基礎, サイエンス社, (2010) - 球面倶楽部 零八式 mark II(2011.01.31)
カーペレビッチの定理 - 球面倶楽部 零八式 mark II(2011.02.09)

「この定理は15年程前に XTX さんに教えてもらった定理なのだが XTX さんに貰った論文はロシア語で書かれた原論文なので、その証明は現在も分らないままである。」

と書いたが,実はこのロシア後の論文が英訳されていることを知った。

ちなみにXTXさん(伏字にする意味なし)の連分数展開を用いた新しい定式化の論文はこちら
https://core.ac.uk/download/pdf/82008853.pdf(pdf)

というか、この記事を書いてからもう12年経ったのか。あれから12年経ったのに検索結果はこのブログだけというのは悲しいね。この Qiita の記事を皮切りにカーペレビッチの定理が広く知られるようになりますように。

ちなみにカーペレビッチの定理について解説している良いスライド(英語)を紹介しておこう.

https://abesenyei.web.elte.hu/publications/dynkin.pdf(pdf)

XTXさんも,このスライドの8枚目の Geometrical reformulation と同じ流れを

輪廻転生の条件(雑誌大学への数学の1990年3月号pp.56-59)

で解説されていた。

カーペレビッチの定理 - 球面倶楽部 零八式 mark II(2011.01.31)

「この話を聞いたときに考えた予想を、数年振りに思い出したので、今度数値実験をしてみようかと思う。」

と書いていたのは P,Q が確率行列のとき (1-t)P+t Q(0\leqq t\leqq 1)も確率行列になるので、隣り合う2頂点に対して t を動かしたときの軌跡として境界線が得られる、という予想だったのだが、XTXさんにこの予想を話したら(1990年頃)、そんな単純にはならないんじゃないかなと言われて放置していて、2011年にやろうと思っていて結局やらなくて、

[1611.06970] A matricial view of the Karpelevič Theorem

で同じようなことを考えているので、まぁ、もういいか。